※こちらの記事は2025年4月にアップした記事を都度、編集・追記しています。
こんにちは!サブ3&ウルトラランナー葱坊主です!
2025年4月20日(日)に開催された自身初ウルトラマラソンとなる【第35回チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン】(以下、チャレ富士)<FUJI 5LAKES 120km>に出場し、無事に完走してきました!
レース前日から当日のレース展開までまとめましたので、これからウルトラマラソンにチャレンジされる方、チャレ富士にエントリーしようと思っているランナーさんに少しでも役立つ記事になると嬉しいです!
※今回のレポートは23,000文字以上となります。予めご了承ください!
▼目次
①結果報告!
②レース前日の過ごし方
③レース当日 ~スタートまで~
④レースダイジェスト ~スタートから40kmまで~
⑤レースダイジェスト ~40kmから80kmまで~
⑥レースダイジェスト ~80kmからゴールまで~
⑦レースを終えて ~3日間続いた地獄の筋肉痛~
⑧初のウルトラマラソンを走ってみて
⑨まとめ
⑩チャレ富士完走アイテム17選!
①結果報告!
初ウルトラマラソンは無事に完走、そして目標としていたサブ14を達成!


と、一文にまとめていますが、生涯最高クラスのタフなレースかつ何度も心が折れそうになった極限状態でのゴールでした!DNF(途中棄権)せずに120kmを完走できて本当に良かったです!
次のチャプターからはレース前日を振り返ってみましょう!
②レース前日の過ごし方
タイムテーブルはこんな感じでした。
<前日:4月19日(土)>
05:30 起床→シャワー
06:30 朝食(バナナ、牛乳+プロテイン、チョコレート)
06:40 準備
09:00 散髪
10:30 ランチ(うな重)
11:30 出発
15:00 河口湖駅到着、買い出し
16:00 チェックイン
16:30 準備
17:00 夕食(弁当)&カーボ&電解質ローディング
18:00 入浴
18:30 就寝
<現地への移動と最終準備>
おそらくレース前の晩は寝る時間がいつもよりも早すぎるのと緊張で眠れないことを考慮して、ギリギリまで眠って睡眠時間をできる限り確保しました。



そして、ジェルや補給物の最終チェック後に散髪でリフレッシュをしてから、レース前の勝負メシこと先日届いたばかりのふるさと納税のうな重を食べて英気もチャージ!

都内からスタート会場となる富士山麓公園付近までは、電車もしくは高速バスで行こうと思えば3時間もあれば到着する距離ですが、120kmの部が夜明け前のスタート4時でしたので、午後から現地に移動し前泊しました。

新宿バスタから高速バスに乗って河口湖駅へ。隣席そして車内にも何名か【チャレ富士】出場ランナーさんが乗っていましたね。
道中、ひどい渋滞にハマって90分ほど遅れての15時過ぎに2022年11月の【富士山マラソン】以来となる河口湖駅に到着。
まさか今度は初ウルトラマラソンとなる【チャレ富士】でこの地を訪れるとは。。。当時は予想すらしていませんでしたので、人生何が起こるか本当にわからないですね!
あれから3年、海外観光客のあまりの多さにびっくりしましたが、皆のお目当てはもちろん富士山!

曇り気味でガスがかかってましたが、相変わらずの存在感に圧倒されます!
本来であればビールでも飲んでゆっくり観光でもしたかったのですが、18時30分頃には眠りに就きたかったので、この日は外食せずに地元スーパー(フードストア高田屋)で夕飯と翌日の朝食を購入しホテルへ直行。
エントリー発表直後にも関わらずインバウンド需要と重なり、ホテルはなかなか予約できず、何とか河口湖駅から徒歩圏内のビジホを予約することができました。ホテルというかマンションをリノベしたかのような作りでしたが。。。



このホテルから見える富士山も素晴らしかった!
レース準備を済ませ、スーパーで購入した生姜焼き弁当とみそ汁、そしてフルマラソンと同じルーティンであるモルテンのドリンクミックス320に追加して、今回は電解質ローディングを実施!

先日のブログでも紹介しましたが、足攣りや脱水防止予防のため、プレシジョンの<PH 1500 電解質ドリンクミックス>を溶かした500mlを摂取。
>>>【スウェットテスト】脱水&足攣り対策!最適補給でベスト更新へ導く!
とても甘いモルテンドリンクミックス320と比べれば、薄めたスポドリといった感じで非常に飲みやすかったです!
当初は雨予報で汗冷え&低体温対策を重視していましたが、大会3日前あたりから晴れ予報に変わり、最高気温も20℃前後と初夏のレース対策に切り替え、レースでは初となる電解質ローディングを取り入れてみました。


レース当日の朝というか夜中にもう一袋溶かして、スタート30分前まで飲み干しています。
天気は、終始曇り気味で湖畔ということでそこまで気温が上昇しなかった影響もありますが、14時間近く動き続けても足攣りは起こらなかったので一定の効果はあったものと考えています!
次回は今回よりも発汗の多い6月のトレランレース【奥信濃100-50km-】、そして8月末【北海道マラソン2025】でも使用予定です!
もう一つ実践に取り入れたのは同じくプレシジョンの<PH 500 電解質タブレット>によるランニング中の電解質ローディング。

水に1タブレット溶かしたフラスク500mlをザックの両サイドに入れ、1kmごとに飲むとだいたい10kmごとに500mlが無くなるので、都度エイドの水で作りながら補給していました。
スタート時は500mlを両サイドに入れて走ってましたが、さすがに後半になるにつれて重さを感じ、しかも擦れとフラスクが肋骨に当たって痛くなってくる始末。片方ずつ交互に作ってなるべく軽量化と肋骨へのダメージを軽減しました。
ちなみに肋骨はレース2日後ぐらいにようやく痛みは引きましたね。。。
<タクシーの配車予約はお早めに!>

準備の最後として、今回は会場となる富士山麓公園付近までタクシーで行くことにしました。
帰りのシャトルバスは手厚い待遇でしたが、主催側が斡旋したホテル以外ではスタート会場までの送迎は無く、朝2時台に会場へ向かうとなると自家用車もしくはタクシー以外の手段はありません。
そこで今回はホテルの案内チラシにあったタクシー会社へ配車の予約を試みました。
が、電話するもどこも予約で一杯だったり、まさかの営業時間外!?ということで、そもそも富士河口湖町周辺はタクシー会社が少ないということもあり、ネットでググった会社に何とか配車予約成功!
【チャレ富士】のブログなどを改めてググって見ると、タクシーの配車は早めに実施した方が◎という記事を幾つか発見しました!
今後のためにも遠征時、特にスタート時間の早いウルトラ、トレランレースなどに出場する際は“事前の配車予約”をしておくと精神的にもラクになることが勉強になりましたね!
ちなみに河口湖周辺のHPからも予約可能なタクシー会社です。(※2025年4月28日時点)
富士急山梨ハイヤー | https://www.fujiq-taxi.jp/ |
十三番タクシー | https://taxi13.jp/ |
フガクタクシー | https://fugaku-taxi.jp/ |
忍野タクシー | http://oshino-taxi.car.coocan.jp/ |
共和タクシー | http://kyowa-taxi.jp/ |
さぁ、できる限りの準備とさくっと身体を温める程度の入浴も済ませて18:30に就寝。
明日はどんな一日になるのか。。。
③レース当日 ~スタートまで~
レース当日のタイムテーブルです!
<当日:4月20日(日)>
00:30 起床→シャワー
00:45 レース準備
01:15 朝食(おにぎり、味噌汁、菓子パン、バナナ、ドリンク類)
01:45 身支度
02:15 タクシーで会場へ
02:30 会場着、準備、待機、ウォーミングアップ
03:30 スタートブロックへ
04:00 スタート!
17:44 ゴール!
18:00 豚汁タイム、着替えなど
19:15 シャトルバスで河口湖駅へ
19:45 ホテル到着
20:00 入浴
20:30 夕飯&ビールタイム♪
22:00 就寝
いつもより入眠に時間はかかったり、緊張と興奮で何度か目を覚ましてしまいましたが、日付が変わって本番当日0:30、時計のアラームで起床!
深い睡眠が少なかったですが、5時間30分ほどは眠れたので、眠気やダルさは感じられず、熱めのシャワーで目を覚まして、フルマラソン同様の塗りルーティン作業をこなしていきます。
・ワセリン塗り(脇、股間、乳首、足指など)
・マグネシウムローション塗り(ハム、ふくらはぎに入念に)
・日焼け止め塗り
そして、昨日のうちに買っておいたおにぎり3つとみそ汁、菓子パン、バナナ、ドリンク類(モルテンドリンクミックス320&PH 1500 電解質ドリンクミックス)を摂取し、装備抜けがないかもう一度チェックして、いざ配車で予約したタクシーに乗って会場へ。

日付が変わったばかりの日曜日の真夜中、ほとんどが眠っているであろう時間帯に、全国、そして世界各地から集まったいい意味での“変態”マラソンレースが始まろうとしている非現実的な感じを受け止めながら、続々と駐車場に会場入りするシーンは異例そのもの。
本当に自分は120km走り切って、ここまで帰ってこれるのか。
楽観的な性格でありながら、何事も最初は不安がどうしても付きまといます。
もうここまで来たらやるっきゃない!レース自体を楽しんで最高の120kmのジャーニーランにしようぜ!
と鼓舞し、更衣室で最後の準備を終わらせ、荷物も預け、軽くウォーミングアップとトイレも済ませ、あとはスタートブロックに立つのみ!



スタートゲート、そしてボランティアの皆さんも夜中から懸命に準備に取り掛かっています!



ここまで大きな身体のトラブルや不調も無く、このスタートラインに立てたことだけ儲けもの!周りに感謝しながら、とことん楽しもう!!と緊張と不安が押し寄せる自分自身に何度も言い聞かせます!
ちなみに【チャレ富士】のトイレは更衣室内、そして野外にも仮設トイレ(※小便器専用もあるので回転が速い!)もあるので、大以外はそこまで並ぶ必要は無いというのが個人的な印象でした。
尚、各エイドにもトイレはありますが、ほぼ和式型で特にレース終盤はしゃがんだだけでも足攣りが起こるので、特にロングディスタンス系のレースでは大は直前に洋式で済ませた方が無難でしょう。


まだ日の出前にも関わらず、今回から新設された<FUJI 5LAKES 120km部門>は富士山麓公園内の陸上競技場からのスタートとなるため、高揚感と異様な緊張感に包まれています。
そしてスタート5分前からセレモニーが始まり、ウルトラランナーみゃこさんの号砲で定刻4:00に男女合わせて794人(※公式HP速報より出走者数の数を算出)のランナーが一斉にスタート!


いよいよスタートした【チャレ富士<FUJI 5LAKES 120km部門>】!
いったい何時間後にここに戻ってこれるのか!?
そもそも、果たして完走は出来るのか!?
ワクワクと不安が入り混じった中、トラックを周回し、いざフィールドへ!
次のチャプターからは40kmごとに3章に区切ってのレースダイジェストとなります!
④レースダイジェスト ~スタートから40kmまで~


<まだこの時は余裕だった山中湖、第一関門通過>
まずは一つ目の湖となる山中湖を目指しつつ、序盤はアップ兼ねての6:00/km前後をベースに40kmまで突き進むプランを選択しました。
真っ暗で最初はどこを走っているのか全く見当つかなったですが、1kmの入りは6:01/kmと予想通りのペース!
そしてこの時はあと119kmだ!とまだ余裕こいていますが、その後も少しずつペースも上がり、体温も上がりじわっと汗をかき始めるとなんと5km地点で5:19/kmのラップ。
このままではアカンアカン!と自分に言い聞かせ、ペースを下げながらも特に体の不調や足の痛みもなく、快調な出だしでした!
そうこうしているうちに第1エイド【富⼠散策公園【往路】】(6.8km地点)で給水&トイレタイム。

スタート前はややひんやりして、Tシャツにアームカバー、グローブをしているのが丁度よい気温でした。しかし、日の出までは12℃前後と多少暑くても汗冷えで身体が冷えないように、7時ぐらいまではアームカバーとグローブは付けたまま走っています。
スタート直後はまだ夜明け前で淡々と各々が走っている苦行のようなイメージ。
ですが、山中湖に近づき徐々に夜が明け始めると同時に富士五湖周辺景色の解像度が一気に高まり、あっ!今、本当に富士五湖を走っているんだな!とようやくここで実感!


夜明け直後の曇り気味の幻想的で静かな山中湖を見ながら、第2エイド【⼭中湖毬藻庵駐⾞場】(12.7km地点)で用を済ませ(※洋式トイレで助かりました!)、梅干しとフルーツなどなるべく身体に優しい天然物で塩分やビタミンチャージ!
その後も各エイド2~3分ぐらいのタイムラグはあるものの、給水&補給優先とメリハリを付けながら、いつも通りのジョグで進んでいきます!

11.6km通過時のラップは1:10:33とここまで異常なし。

このあたりでようやく富士山もおはよう!とドヤ顔で全貌を見せ、最初のカメラチャンス!
曇り気味でしかもほぼ無風、気温もまだ12℃前後と走るには絶好なコンディションです。
その後も快調にエイドを通過し、スポドリ、梅干し、そして第3エイド【⼭中湖旭ケ丘駐⾞場】(15.9km地点)で今日初となる朝コーラを摂取!
ランニング中のコーラってなんでこんなに美味いんでしょうね!
飲み過ぎると揺れて内臓に負担が掛かるので給水は2杯までと決め、コーラも一杯までとし次のエイドまでのお楽しみにしています。
第3エイドから4kmほど走ると時計表示が見えてきました。

ようやく最初の関門となる第4エイド【⼭中湖交流プラザきらら】(19.1km地点)通過は、5:56:44とスタートからあっという間に2時間近くが経過!
ここでしゃり玉(おにぎり)を摂取。のりと梅干しも付けての“即席梅おにぎり“がめちゃくちゃ美味しくて2個いただきました!おにぎりの一番好きな具は梅ですからね!!
あと20km走を5回繰り返せば、120km地点のゴール!何とかなるだろう!!
と楽観的に思っていましたが、終盤になるにつれて一歩一歩の衝撃によるハムへの激痛地獄はまだこの時、知る由も無かったのです。
<チャレ富士の魅力が詰まった身も心もハイになる山中湖湖畔>

日の出とともに富士山もくっきり見え始め、ランナーのテンションも上がる山中湖湖畔。


特に長池親水公園前後のコースは目の前に富士山、そして左側に穏やかな山中湖、時折楽しませてくれる満開の桜とまさに【チャレ富士】の魅力が凝縮したコースで最も気持ち良かったですね!
約ハーフマラソンと同等の21.6km時の通過ラップは1:00:56とほぼ6:00/kmペース。
第6エイド【わいわい広場】(25.4km地点)では命の水となるコーラを、そして第7エイド【柳原公園】(30.6km地点)ではイチゴとブドウを摂取。


イチゴとブドウは新鮮で口当たりも良く、どんどん胃の中に入るので、鷲掴みにしてハムスターのように口に入れられるだけ入れてラン再開!
ちなみに当初食べようと思っていた渇き系(カステラ、バームクーヘン、くろ玉など)は発汗するとなかなか受け付けず、オレンジやレモンなどの柑橘系フルーツをメインに、パン、シュークリーム、一口ようかん、しゃり玉、コーラ、ポカリなどがメインになっていました。
このあたりも事前の想定とレースコンディション次第で変わってくるのと、自分の嗜好も明確になるので、今後のトレランなどにも参考になる傾向でしたね!
第7エイド【柳原公園】(30.6km地点)あたりでレースから3時間経過し、時刻は早朝7:00。
まだまだ世界は夜が明けたばかりというのに、この山中湖周辺を4,000人近くのランナーが同じゴールを目指して走っているのを想うとちょっと感慨深かったですね。
さぁ、富士五湖の中でも最も大きな山中湖を終えて、第1エイドも兼ねていた第8エイド【富⼠散策公園【復路】】(35.2km地点)に戻り、第2関門も無事に通過(※写真撮り忘れ)、そして次なる湖となる河口湖を目指します!


と、その前に序盤の難所ともいえる急登が目の前に壁のように立ちはだかっています!
すでに歩いているランナーさんも多かったですが、前傾姿勢になりながら一歩ずつ足を運んでいきます。
心拍を見ながら最大でも160を上回らないペースでなんとか登り切ると次は登った分を一気に下降!


43km通過時のラップがこの日ベストラップの5:02/km。
下りは足への負担が大きくなるので、競歩に近いパワーウォークで着地の衝撃を和らげ、腕の推進力を使ってどんどん下っていきます!
そこでふと思ったのが、ゴール直前にまたここを登るのか!と脳裏をよぎりますが、まず今は次のエイドを目指してベストを尽くそう!と気持ちを切り替えて、序盤の山場である峠走を無事にクリアしました。
いつの間にか、フルマラソンの距離42.195kmも通過し、残り2/3。
まだ足も内臓もメンタルも大きなトラブルや痛みはなく、この調子でいけば完走はイケる!と思ってはいますが、足の疲労はどんどん蓄積していっています。
⑤レースダイジェスト ~40kmから80kmまで~


<最長走行距離突破、疲労が徐々に身体を蝕む未知の世界へ>
4:00スタートから4時間30分経過の8:30過ぎ。
第9エイド【富士北麓公園上】(39.9km地点)からの峠を越え、第10エイド【富士河口湖町役場駐車場】(46.6km地点)に到着。


このエイドでは、20km振りのパワーの源となるしゃり玉が提供されるので、二個ほど海苔と梅干しもセットにした“即席梅おにぎり”でカロリーチャージ!
<復路>でも戻ってきますが、<往路>の際は富士山が背後からランナーを応援しています!
ここで前を走る一人のランナーさんと落とし物を拾ってあげたことがきっかけで走りながら、
「チャレ富士はもう何度か出ているんですか?」
「昨年は90kmでリタイアして、120kmへのリベンジです!」
とやはり120km完走は相当ハードルが高いことが伺えましたが、“120km完走を目指す同士”ということで僅かな会話からお互いエールを交わし合えるのもこのウルトラマラソンの楽しさ。
タイムを狙うフルマラソンはライバル感が強い傾向ですが、トレランやウルトラマラソンは“同士で一緒にゴールを目指す”という言葉がぴったり当てはまる競技だと今回走ってみてつくづく思いましたね。
さて、河口湖を縦断する河口湖大橋は楽しみにしていた絶景ポイントのひとつ!



背後の富士山や雄大な河口湖を撮影しながら、第11エイド【富士河口湖町観光連盟】(49.1km地点)に到着。
満開の桜と富士山との素晴らしいコンビネーションにテンションアップ!!




このあたりで気温は道路標識で17℃。天気予報でしたが、そこまで日差しも少なく、走るにはむしろ好都合のコンディションです。

が、多少湿度は高く発汗も多いため、エイドでの給水だけでは脱水のリスクも高くなります。そこで、フラスクの水を1kmごとに2~3口飲みながら常に脱水にだけはならないように心掛けました。
そして終盤に備えて足を温存させるべく、80kmあたりまで6:00/kmにペースを落としていきます。


第12エイド【大石公園】(52.4km地点)で富士山をバックにしてコーラをごくごく。終始このコーラの3大特徴ともいえる爽快感のある強炭酸、そして強カロリー&カフェインには救われましたね!
まだ足は持っているものの、ここまで50km以上のロング走をしているので、当然足腰に疲労は感じ始めます。



富士山と満開の桜、湖の波音と自然を満喫しながら走れるのが唯一の救いでしたが、河口湖から第13エイド&第3関門の【足和田出張所】(57.6km地点)に到着。


関門時間11:10に対して、9:46の到着で1時間30分近くの貯金がありますが、ここからが正念場に突入しますので全く油断はできません。。。
ちなみにこの【足和田出張所】は全ランナーが立ち寄るエイドで、規模感も大きく休む場所も多いため、さまざまなランナーが休憩兼ねてリフレッシュしています!
ストレッチとザックの整理をしながら、休憩中のとあるランナーさんに声掛けてみたところ、ウルトラは2回目でチャレ富士120kmは初挑戦とのこと。
どうせ走るなら100kmでなはく、120kmでしょう!
と私と同じ想いでエントリーされたランナーとの出会いに嬉しくなりましたね!このランナーさんとは追い越しつつ追い越されつつも、各エイドで会う頻度が多く、お互いを鼓舞しながらゴールを目指した“同士”にもなりました。
フルマラソンではなかなか機会がないこうしたランナーさんとの一期一会もウルトラならではと思いながら、戦っているのは自分だけではない!と改めて完走目標に向けて闘志がみなぎりました!
前半摂取したジェルをフラスクすぐのポケットに補充、さらにプレシジョンの<PH 500 電解質タブレット>を溶かした水を作り、さらに気温上昇に伴う脱水・足攣りに備えて経口補水ゼリーも摂取。
トイレも済まし、万全の状態で次なる湖、西湖を目指します。が、ここで中盤の山場である激坂が目の前に壁のように立ちはだかります。

あれ!?この風景どこかでみたことあるような、ないような。。。
そう感じた既視感は、2022年に走ったあの【富士山マラソン】最大の難所ともいえる激坂!
フルマラソン以上の距離を走ってからのこの激坂は相当タフな走りになるな。。。
と固唾を飲み、2~3度深呼吸して覚悟を決めます。

多くのランナーは歩いていますが、100km部門以上のツワモノはゆっくりでも走って駆け抜けていきます!
富士山マラソン時の記憶が少しずつ蘇り、このターンを曲がってもう少し耐えれば登り切るぞ!と周りのランナーとも声を掛け合いながら何とか登り切りました!
激坂を登り切った後は、西湖周辺をぐるりと回っていきます。このあたりも満開に桜が綺麗でしたね!


60kmの通過看板。撮影時間から推測するとスタートから6時間10分経過。
ようやくここで折り返し地点です。
もう60kmか、しかしあと60kmもあるのか。
と改めて120kmの長さをひしひしと感じながら西湖を経て、次なる3つ目の湖、精進湖を目指します!
<西湖を経て精進湖へ進みながらメンタルとの戦いに突入、そして120km運命の分かれ道に>


この西湖周辺もおそらく富士山マラソンで走ったコースに含まれていたかもしれませんが、雄大な富士山を眺めることができました!
が、少しずつ足のダメージを感じ始め、エイドで欠かさず実施していた屈伸、そして伸脚、アキレス腱伸ばしのストレッチも徐々にキツくなってきます。。。
各エイドを目標に、さらに富士山などの風景で気分転換しながらここまでやってきたものの、ようやくこのあたりから“不安”が付きまといます。
この足の状態で本当にこのまま完走できるのか。。。。
覚悟をしていた“不安”=“メンタル”との戦いもいよいよ始まったのです。

第14エイド【旅館樹海荘】(61.8km地点)、第15エイド【西湖野鳥の森公園】(64.2km地点)を経て、65km通過。
第15エイド【⻄湖野⿃の森公園【往路】】ではチャレ富士名物の“吉田のうどん”が提供されます。
私もこのうどんを食べるのをとても楽しみにしていたのですが、やや暑さと脱水気味かつ疲労も重なり、しかも提供まで待機時間もあるとのこと。ここで止まっては“休憩癖”が付くと思い、フルーツ、水分補給のみで早々に精進湖に向けてリスタート。

国道139号線をしばらく走っていると、三つ目の湖こと精進湖の看板が見えてきました。
精進湖は富士五湖の中では最も面積は小さく、他の湖と比べると地味めな印象で半周およそ3~4kmですが、少しずつこの1kmの距離感も長く長く感じられるようになってきます。
幸いエイド間の距離が短いため、メリハリ付けて走ることに専念できたのは唯一の救いでしょうか。
あとこのチャレ富士でもう一つ楽しみだった第17エイド【精進湖畔駐車場】(69.8km地点)で提供される名物“エクレア”はまだまだ在庫がありました!コーラで流し込むクリームたっぷりのエクレアがめちゃくちゃ美味いこと!



湖と満開の桜を見ながらホッと一息を付け、70km通過(スタートから7時間18分後)後に精進湖から再び国道139号線へ。


第18エイド【R139号精進湖入口】(73.0km地点)で補給を済ませると、いよいよ【運命の分かれ道】とも呼ばれる120kmと80kmランナーのみが走る本栖湖に向かう分岐点に。

100kmと62kmは旧精進小学校のエイドを経由してゴールに向かいますが、120kmと80kmランナーは本栖湖を一周してから再度この分岐まで戻ってくるというメンタルが最も試される時間帯です。

しかもこの本栖湖までの林道は交通量が多く道も狭いため、しばしストレスもあります。しかもランナーが少なく孤独感を最も感じるコースなので、疲労と孤独でメンタル崩壊してもおかしくない耐えどころ。
私もここが最も精神的にキツく、
あー、これがウルトラマラソンかぁ~
と思いつつも、120kmと80kmのランナーがすれ違う際はお互い声を掛け合って、“皆でゴールを目指そう!”という意識も大きくなった時間帯でもありました。

体力もメンタルも徐々に削られるアップダウンの多い林道をようやく抜け、本栖湖の入り口となる第19エイド&第4関門【本栖湖県営駐車場】(76.4地点)に12:02:34(関門時間13:30)に到達!
第3関門まであった1時間30分の貯金も1時間27分に減っているので、徐々にペースも落ちていることを突き付けられます。
ここまで76.4km。一日で走った最も長い距離を越えた未知の世界です。
しかも足の疲労感も大きく、エイドでは欠かさずストレッチを実施してきましたが、もう誤魔化しがきかないほど特に両足のハムストリングスがバキバキになり始め、
100km完走も危ういのではないか。。。
と不安が押し寄せます。
さらに、
ここまで最長距離を走って一生懸命頑張ったんだから、そこまで無理する必要ないんじゃないの?もう終わらせて風呂に入ってビール飲みながらゆっくりしようよ。
と弱い自分も心の中でささやき始めます。
ここで諦めたら、また諦め癖のある弱い自分に戻ってしまう。。。辛いのは自分だけじゃない!
と言い聞かせ、とにかく完走は一旦考えず、次のエイドまでベストを尽くすことだけに集中して、無心になって次のエイドや通過看板を目指して我武者羅に走りました。
⑥レースダイジェスト ~80kmからゴールまで~


<本栖湖での己との戦いに打ち勝つ>

2/3にあたる80km地点を通過し。81.6kmの通過時点のラップは1:14:34とだいぶペースが落ち始めてます。
一歩一歩の衝撃が特にハムストリングスにズキッとした痛みになり、70km以降は当初の予想通りバッキバキの状態になりながらのランになりました。
痛み止めは携帯していなかったため、とにかくエイドでの給水・給食、そして約10kmごとのジェル、屈伸・伸脚、アキレス腱伸ばしなどのストレッチも欠かさずやってきましたが、身体からのSOSサインは増すばかり。
こんな足の状態であと約フルマラソン1回分を走り切れるのか。
と自問自答しながら、本栖湖を周回していきます。

ランナーも観光客も少なく、時折見せる富士山にすら感動を覚えなくなり、満開の桜と精進湖の湖畔のさざ波の音が妙に心地よい時間帯。
この曇天模様がまるで自分のメンタルを投影するかのように、
足が限界に近い。もうこのままリタイヤしようか。。。
足もメンタルも限界を迎えつつある第21エイド【浩庵テント村駐⾞場】(83.7km地点)に着くと、【足和田出張所】でお会いしたランナーさんが先に休憩しているものの、パイプ椅子に座った燃え尽きた“あしたのジョー”状態を目のあたりに。

声を掛けるのも気が引けるぐらいの疲労度。が、その姿を見たことでスイッチが入ります!
“ツラいのはみんな一緒だ!超スロージョグでもいいからとにかく次のエイドまでベストを尽くそう”


そう喝を入れて、そしてカツサプ1袋分をコーラで流し込み、少し長めのストレッチをして気分を一新させて再スタート!
このあたりから屈伸をするのも容易ではないくらいのバッキバキさですが、ゆっくり走っていくと徐々に硬くなった筋肉もほぐれ始め、ラップ6:30/km前後で精進湖をクリアしていきます!
一度折れかけたメンタルも何とか復活し、ここまで来ればあとは富士山麓公園に戻るだけ。
ウルトラマラソンやトレランはよく“調子の波がある”と言われますが、実際にこの80km時点で体験してみてひしひしと感じましたね!

第22エイド【本栖湖畔駐⾞場】(87.6km地点)を通過し、なるべく筋肉がこれ以上硬くないように梅干しと給水、軽くストレッチを済ませて第5関門へ。


再度、往路でも通った地下道を通過(下りの階段がキツかった!)し、精進湖から本栖湖に繋がるアップダウンのある林道を経て、あの【運命の分かれ道】に戻ってきました!

ここに来るまで実は第4関門を目指す120kmランナーとも遭遇し、まさに秒を争う中での関門通過の明暗を目のあたりに!
ダッシュしてかろうじてギリギリ間に合ったランナー、あと僅かの差で届かなかったランナー。
悲喜こもごもの人間ドラマを見て、改めて“何が何でも完走しなければならない”という闘志が燃えたのを覚えています。


【運命の分かれ道】に戻り、スタートから約10時間後に第23エイド&第5関門【旧精進⼩学校】(91.7km地点)を13:51:56(関門15:25)と1時間30分の貯金を確認。
このあたりは全種目のランナーと再会しますので、さらに狭い道幅をランナーどうしがすれ違うことになり、ぶつからないように慎重に前後を見ながら追い越していきます。

95km地点を通過し、残り25km。
もうこのあたりは一度立ち止まってしまうと再度走り出すのもやっとで、なるべく登り基調でも走り続けて筋肉の硬直を避けていました。
往路でも通過した国道139号線沿いにある第24エイド【⾚池⼤橋先待避所【復路】】(94.3km地点)で給水を済ませ、第25エイド【⻄湖野⿃の森公園【復路】】(97.4km地点)に戻り、楽しみにしていた“吉田のうどん”はあえてパス。

本当はゆっくり食べたかったのですが、座って食べた時が最後。もう立ち上がることは出来なくなると思い、早くゴールしたいという想いが勝り、給水だけにして西湖を目指します!
<ついに走れなくなるほどの激痛が下半身を襲うも、立ち止まることは絶対にしたくなかった>

ついに100km地点を通過。
通過時刻は14:57とここまでスタートから10時間57分あまり経過。
改めてサブ10の壁の高さを痛感するも、120km部門はまだ20kmもあります!
“初のチャレ富士ももう残り20kmか”と思う余裕なんて一切なく、とにかく長く感じる1km1kmを6:30/km前後のペースを維持しながら次のエイドを目指します。

100km通過後すぐの第26エイド&第6関門【⻄湖公⺠館】(100.3km地点)通過時刻は14:59.35、関門時間は16:30と1時間30分の貯金は維持できています!
まだこの時点では歩くことは考えてはいなかったのですが、足はもうとっくに限界に近い状態。
自分の足よ、頼むからあと20km耐えてくれ。
と祈りにも近い状態で自分に言い聞かせ、再度【足和田出張所】までにいたる激坂を今度は急降下!


この下り坂で一歩一歩、衝撃を受けるごとに顔をゆがめたくなるほど悶絶してしまう激痛がハムストリングスにズンズン突き刺さってきます。この下り坂の衝撃が致命傷になり、自分の足は完全に限界を超えたことをこの時、察しましたね。
それでも一度足を止めたらもう走ることができなくなりそうなので、激痛に絶えながらも1km1kmをクリアしていきます。

105kmを通過。今、思い出しても肉体的に最もキツかった激坂もようやく終わり、終盤に向けて最後の大休憩ができる第27エイド【足和田出張所】(105.2km)に戻ってきました。

梅干し、フルーツ、コーラの給水、そして気温が下がり始めてきたので、アームカバーとグローブを装備。ストレッチするも屈伸は4回ほどが限界です。
ずっと前後を走ってきた120kmランナーが続々とゴールに向かって再開していく中、自分はなかなかスタートしたいと思う気力が湧きません。
ただこれ以上、止まって筋肉が硬直し始めると歩くのも困難になるので、足をパンパンと叩いてやっとこさ再開。
残り15km弱。近いようで余りにも遥か遠くに感じてしまうゴールまで、走るのをやめようとさせる自分との戦いがいよいよ本格的に始まりました。
6:30/km前後とラップ自体はそこまで落ちていないものの、バッキバキの足で走るのがここまでキツいと感じるのは、人生で初めてかもしれません。

同じようなペースのランナーさんに引っ張ってもらい河口湖終盤の第28エイド【勝⼭町営駐⾞場】(108.7km地点)でフルーツとコーラを摂取。
エイドもゴールまで残すところあと2つ。
このあたりから応援も“あと少し!ここまで走って本当に凄いです!!”と私設エイドを提供しながら応援してくれる方々の声が本当に背中を押してくれました!


浅間神社の満開の桜を見て少し気分転換し、ようやく110kmを通過。
あと10km。しかし、足は限界でいつ止まってもおかしくない極限状態。
果たして、こんなボロボロの状態でゴールゲートまで維持できるのか。
ここから最後の正念場となる地獄の10kmが待ち受けていたのです。
<限界のその先へ。長い長い戦いについに終止符を打つ瞬間がやってきた>

110km通過時刻は16:16とスタートから時計が丸一回転し、12時間16分ほど経過。
なんとか日が暮れる前までにゴールをしたい!と思いながら、最後の湖となる河口湖ゾーンをクリアし、第29エイド&第7関門【富⼠河⼝湖町役場駐⾞場【復路】】(112.4km地点)に戻ってきました!

関門通過時刻は16:35:20、関門時間は18:00と貯金は1時間25分あまり。

身体が冷えつつある中で味噌汁を飲んで、再度出発をしようとするも走るたびにハムストリングスに激痛が走ります。
さらにストレッチを試みるも、屈伸がまったくできない状態で、しゃがむことが全くできないほど、ハムストリングスがバッキバキに仕上がっています。
これは尋常じゃない筋肉痛でヤバいぞ。限界すぎてもうこれ以上走るのは無理だな。もう本当に止めようか。。。
まさに心が折れかかった瞬間、
ここでリタイヤしたら、110km走ってきた自分を裏切ることになる!
そして、リタイヤすれば今後生きていく中で絶対に一生後悔してしまうぞ!!
と思い、ひとつの決断をします。
まだ制限時間はたっぷりある。もうここから無理に走ってもダメージが増すばかりで非効率なので、パワーウォークでゴール直前まで耐えて足を少しでも温存させて、最後の1kmだけは走り切ろう!
と歩いてでも這ってでも、何が何でも意地でゴールしなければここまでベストを尽くしてきた意味がなくなってしまう!と鼓舞し、弱い自分を思いっきり振り切りました。
後続ランナーからどんどん追い越されてしまうも、そこは気にせずとにかく腕の推進力を使ってキロ10分ぐらいのパワーウォークで最後のラスボスの激坂ゾーンをひたすら愚直に進みます!

先日のブログでは“最後の激坂を走ったランナーが本当のウルトラマラソンランナーだ”と書いて、“よし、やってやろうじゃねーか”と調子よく意気込みを書いていましたが、現実はそう甘くはありませんでしたね!
まだまだ自分には120kmを走り切れるだけの走力・筋持久力は持ち合わせてなかったのです。
ここがウルトラマラソンを完走できるかの勝負どころでしたので、中盤から終盤にかけてずっと諦めようとする自分に何とか粘り勝ちし、最後の最後に何か吹っ切れた状態にまで戻せました。今振り返っても“よくあそこの絶体絶命の窮地を乗り越えたな!”と自分自身でも驚いています。
それぐらい限界を超えた足は極限状態でしたので、またここで一段とメンタルが強くなった気がします!

まだくっきり見える富士山を見ながら、腕を振って振って振りまくっての渾身のパワーウォークでついに残り5km地点通過。

ラストエイドとなる第30エイド【松⼭油脂株式会社物流センター】(115.8km地点)での学生さんによる若い熱き応援を貰いながら、ゴールに向かってあとはひたすら突き進むのみ!


ここを走って登るランナーにはもうリスペクトしかありません。海外の女性ランナーも黙々と走っていましたからね!

ラスト3km。ここでウルトラ完走の女神こと“みゃこさん”が笑顔で逆走してきて、極限状態のランナーとハイタッチを交わし、一人ひとりにエールを送ります!
“あとちょっとだけだから!この坂を登り切ったらゴールだよ!”
このエールとハイタッチがどれだけ嬉しかったことか!

ラスト2km。
ランナー泣かせの地獄の激坂もようやく終わりが見えるも、下り基調になるとパワーウォークですら進むのが難しくなるほど限界に達し、最後の最後の踏ん張りどころに突入。
昨年までであればこの118kmがゴールでしたが、2025年大会から+2km追加され、120km種目に変更となりました。ただでさえ限界状態なのに、さらに2km走らせるあたりがまたこのチャレ富士を病みつきにさせるのでしょうか。

ラスト1km。

この下り坂を下って左にカーブしたら、最後の最後は走ってゴールしよう!
と決意すると、最初はスロースタートだったバッキバキの足も生き返ったかのように回転が少しずつ速くなっていきます!

ゴールゲートのある富士北麓公園に到着!ゴールまであと数百メートル!!
キロ7分ぐらいのペースではありましたが、ゴールに近づくにつれてアナウンスの声が聞こえ始め、もうゴールはすぐだと分かりますが、この1kmがとてつもなく長く感じましたね!
あとちょっとの辛抱だ!頼むから、あと少しだけ足よ耐えてくれ!!
と何度も言い聞かせながら、公園に入ると沿道の熱い声援がゴールまでの最後の一押しになりました!

アナウンスで自分の名前が呼ばれ、競技場までの最後のカーブを曲がると、そこには4:00にスタートした真っ黒なスタートゲートと富士山が!

やっと戻ってきた!やっと戻ってきた!!
もう限りなく0に近いボロボロの中から体力と気力を絞り出して、ゴールテープを抱えながら笑顔でフィニッシュ!
ゴール時刻は17:44頃。ネットタイムは13:44:41。
4時にスタートした14時間弱の旅がようやく終わりました。
目の前に鎮座する富士山を見ながら、無事にゴールできた安堵感、喜び、圧倒的な達成感、疲労困憊で色々な気持ちや感情が入り混じった放心状態になって、暫し立ち尽くしていました。
ほぼ同時タイムでゴールしたランナーさんと富士山をバックに撮影し合いながら、再び富士山、そしてゴールゲート、完走メダルをじっくり見ながら、
あ~これは夢ではなく現実なんだな~
と思うと、ここで抑えきれなった感情が爆発し、人目はばからず涙がとめどなく溢れてきました。

周りのランナーも泣いているのか笑っているのかわからないぐらい感情を爆発させているにも関わらず、妙にとても静かだったあのゴール周辺には色々なランナーの感情が溢れ、“静かな喜び、達成感”というのが正しい日本語なのか分かりませんが、ウルトラマラソンゴール後の独特の雰囲気が漂っていましたね
とにかく無事に完走できて本当に本当に良かった!
最低限の目標だったサブ14達成、そして無事に笑顔で完走できたのがもう嬉しくてたまりませんでした!!
と書くと優等生ブログらしく綺麗ごとに聞こえるかもしれませんが、正直なところゴール後は安堵感の方が圧倒的に勝っており、しばらく無気力&放心状態が続き、ひしひしと喜びや達成感を感じたのは筋肉痛が落ち着いたレースから3~4日後あたりでしょうか。
それぐらい想像以上に過酷だった初のウルトラマラソンとなった【チャレ富士<FUJI 5LAKES 120km>】。
早朝4時にスタートし、富士山麓公園に戻ってくるまでの心の葛藤や己の限界と勝負しながら、無事にゴールゲートをくぐり、ウルトラランナーとなった瞬間。それは今まで味わったことのない達成感と充実感でした。フルマラソン完走、そしてサブ3達成とはまた一味も二味も違う達成感の余韻に未だ浸っています。
⑦レースを終えて~3日間続いた地獄の筋肉痛~
限界を超えた足を労わりつつ、完全燃焼し身も心も抜け殻状態になりながらも、シューズに付けたチップを外してもらい足を引きずりながら更衣室へ。

もう足はバッキバキに仕上がっており、歩くのも特に階段は手すりが無いと歩けないぐらいの状態です。
なんとか足も攣らずに着替えを終えて、五臓六腑に染みわたる豚汁を食べて落ち着きを取り戻し、とにかく一刻も早く宿に戻らなければという使命感を持って会場を後にしました。
シャトルバスからの河口湖駅経由で、後泊の宿となる「たかの友梨 スパ&ホテル 桜庵【公式】」へ。

ここはサウナ旅行でハマっていた6年前に一度日帰り利用で訪れたことがありますが、サウナと水風呂、外気浴のバランスが良く、しゃぶしゃぶも美味しい記憶に残っているホテルです。

完走後のご褒美として、他部屋が取れなったこともあり一人では贅沢過ぎる「デラックスルーム」でボロボロになった身体を癒すことにしました。
とにかくお風呂とアイシング!ということで、夕食前に汗まみれの身体と火照った両足を冷やすべく、お風呂とサウナ、そしてキンキンの水風呂と温冷交代浴を繰り返すも一向に足の疲労や筋肉痛は取れません。
この筋肉痛との戦いは長期戦になるなと覚悟しつつも、ビールで祝杯を上げ、今回はすき焼きセットで栄養を補給!


内蔵も相当疲れていると思い、ビールもほどほどにして、この日は22:00ぐらいには泥のように眠りに就きました。
しかし、眠ったのも束の間。
暖房を付けていないにも関わらず、足が火照って寝汗もびっしょりかくほど身体が熱く、水を飲んでクーリングして眠るもまた足の火照りで目を覚まし、結局5:30頃まで繰り返すことになり、いかに足がダメージを喰らっているかがこのイレギュラーなことからも分かりました。
免疫力も落ちているので、これは風邪を引く前兆か。。。
翌朝になっても足の疲労は抜けるどころか、椅子やトイレへ座った後に立ち上がるのにいちいち踏ん張らないと立ち上がれないほどの尋常ではない筋肉痛が襲い掛かり、その都度ハムストリングスに激痛が走ります。
幸い、悪寒や熱はなかったのですが、ハムストリングスはずっと夜中からジンジンと火照っていたので、冷水シャワーでアイシング。それでも少し時間が経つとまた火照ってきます。
どこへ移動するにも亀のようなスピードで恐るおそる足を運ぶ状態ですが、朝風呂開始&朝食サービス開始まで時間があるので、アクティブレスト兼ねてホテル周辺を散歩してみることに。




前日と打って変わって雲一つない澄み切った気持ちの良い青空が広がり、朝日が燦燦と照らす中、改めて昨日のレースを振り返りながら、富士山を見たり、新鮮な森の空気を吸いながらリフレッシュ。

朝食サービスで栄養を補給し、朝風呂タイムで再度徹底的にサウナを交えた温冷交代浴を繰り返して血流を良くしますが、筋肉痛や足の火照りは一向に改善の兆しを見せることはありません。
ちなみにこの桜庵の露天スペースに新しくバレルサウナが常備され、一人サウナ&セルフロウリュウ可能なため、朝はこちらでとことん蒸して、水風呂でシャキッと締めて、朝日を浴びながらの外気浴を繰り返し、リカバリーに専念しました!

バレルサウナは自分好みのコンディションにできて、誰にも邪魔されない自分だけの空間となるので、瞑想するにも素晴らしいサウナでしたね!
もっともっとサウナを満喫したかったのですが、あっという間にチェックアウトの時間がやってきます。
無料送迎バスで河口湖駅まで送ってもらい、チャレ富士を兼ねた1泊2日の山梨旅行は幕を閉じました。
自宅に戻ってからも筋肉痛との戦い、さらには足の火照りとむくみ、寝汗は毎晩続き、レース後ようやく3日目あたりから筋肉痛は和らぎ、足のむくみも5日ほどで解消されました。
しかし、右足首上の筋膜がパンパンに腫れていて、今はだいぶ腫れは引きましたが、まだ腫れと痛みはあるためランニング再開はもう少し様子をみたいと思います。
ここまでの筋肉痛とダメージは初めてでしたので、いかにウルトラマラソンのダメージがハンパではないことを痛感させられました!
⑧初のウルトラマラソンを走ってみて


ここまでレースダイジェストとゴール後を辿ってみましたが、改めて初のウルトラマラソンを走ってみた感じたことをまとめてみました!

<完走して感じたこと>
・無気力になるくらいのハンパない達成感
・今後、多少キツイことがあっても肉体的にも精神的にもへこたれないタフさをGet!
・フルマラソンが短く感じれた
・現状の足の限界値が知れた(屈伸ができなくなった110km前後)
・調子とメンタルのアップダウンを見極めながらのレース展開が重要
・フルマラソン同様、最後の最後はメンタル勝負
・ウルトラマラソンという新しい世界が見れた
・ウルトラは若さだけでは勝てないことを知った
・内臓トラブルは終盤に少しだけあったが、予想以上に食べれて飲めた
・みゃこさん、ボランティアの声援、ラストのビクトリーロードの応援が本当に背中を押してくれた
・生涯最高クラスの筋肉痛(完走した実感と距離を物語っている)
こちらの各詳細は下記記事にまとめていますので、もし興味あればぜひご覧ください!
>>>【初ウルトラ完走記】チャレ富士120kmで得た気づき13選
<完走に貢献したこと>
・各エイドで必ず何かしら食べて、飲んだこと
・給水は1kmごとにフラスク、エイドでコップ2杯を最低飲んだこと
・給食は特にしゃり玉を食べたことが大きかった
・電解質ローディングのおかげか、足攣りがなく無事に完走
<今後の課題>
・エネルギー不足多々あり(道中何度か空腹感を感じた)
・前半飛ばし過ぎ
・筋持久力の向上
・計装化で足のダメージ軽減
⑨まとめ

今回は自身初のウルトラマラソンとなった【チャレ富士<FUJI 5LAKES 120km>】完走までのレポートをお届けしました!
実はゴール直後から書き始めていたもの、GW前の仕事に忙殺されながら一向に収まる気配のない筋肉痛との戦い、その筋肉痛との戦いにエネルギーが割かれ無気力にも近い燃え尽き症候群になった気持ちの整理もようやく落ち着き、書き終えるまで相当の時間を要してしまいました。
それほど今回のウルトラマラソン120km完走には色々なことがあったので、今後ウルトラ初挑戦されるランナー、もしくはチャレ富士に挑むランナーの皆さんなどに少しでも参考になればと思い、23,000字以上の長編レポートになっています!
120kmというこれまで自分史上最長距離で何度も何度も心が折れかけては、周りのランナーやボランティア、沿道、観光で訪れた皆さんの声援のおかげで立ち直れ、無事にサブ14を達成することができて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです!ありがとうございました!!
さらに、ボロボロになって最後の最後まで全身を支えてくれた我が両足、さらに12万歩以上の衝撃から守ってくれた相棒クリフトン10にも感謝です!





クリフトン10は新品同然にも関わらずソールがすり減ってこんな状態にまでなってしまいました。筋肉痛だけで完走できたのもこのクリフトン10のクッション性のおかげでしょう。
あと14時間近く色々な禅問答を繰り返しましたが、レース前・中・最後の最後に諦めそうになった時のマイ勝負曲のひとつでもある『終わりなき旅』の一番大好きなフレーズが何度も反芻し、勇気づけられました!
“難しく考え出すと
結局全てが嫌になって
そっと そっと 逃げ出したくなるけど
高ければ高い壁の方が
登った時気持ちいいもんな
まだ限界だなんて認めちゃいないさ”Mr.Children 「終わりなき旅」より一部引用しました
ちょうど只今、5月11日(日)まで限定公開中のコロナ禍に開催された30周年ツアー【半世紀へのエントランス】でのオープニングナンバーの『終わりなき旅』は号泣もんです!
そして、最後に完走してから6日目(2025年4月26日時点)、このブログを読み返してみて自分に問うてみました。
Q:もう一度ウルトラマラソンを走ってみたいですか?
A:100kmであればまたやってみてもいいかな。。。
120kmはダメージが大きすぎるので、現時点ではまだ即答できかねますが、チャレ富士以外のウルトラマラソンにも興味は出始めています!
あれだけレース終盤はウルトラなんて絶対に二度と走るものか!と思っていたのに、それはなぜか。
その答えは、過酷であれば過酷であるほど、挑戦・完走した者だけしか手に入れられない“何にも代えがたい達成感”が想像を超えるものだったからでしょうか。だからウルトラやトレイルなどはこれだけ多くのランナーを虜にさせているのかもしれません。
まだまだ私の挑戦も続きます!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
⑩チャレ富士完走アイテム17選!
完走に貢献したアイテムはこちら!
(1)シューズ:HOKA/クリフトン10
>>>【クリフトン10】ジョグシューズ王者10作目でどう進化した?
(2)ザック:SALOMON/ADV SKIN12
(3)ウォッチ:COROS/PACE Pro
(4)Tシャツ:UNIQRO/エアリズムメッシュクルーネックT
(5)インナー:finetrack/ドライレイヤークール ノースリーブ
(6)アームカバー:finetrack/ドライレイヤーウォームアームカバー
(7)グローブ:GOLDWIN/ウインター ランニング グローブ
(8)ショーツ:Patagonia/メンズ・ストライダー・プロ・ショーツ

(9)ソックス:GOLDWIN/C3fit ペーパーファイバーソックス
(10)キャップ:HERENESS/FOCUS CAP
(11)ジェル関連:アミノサウルス、オレは摂取す、塩ジェル、プレシジョン、経口補水ゼリー、カツサプ

(12)カーボローディング:モルテン/ドリンクミックス320
(13)ウォーターローディング:凌駕/スマッシュウォーター
(14)電解質ローディング:プレシジョン/完走セット、PH 500 電解質タブレット
(15)足攣り対策:パフォーマンスドクター/マグネシウム スポーツローション、コムレケアゼリー、
(16)ワセリン:大洋製薬/ワセリンHG
(17)日焼け止め:資生堂/アネッサ パーフェクトUV スキンケアジェル
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