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【1万字レポ】HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024@Aichi Sky Expo

音楽

※こちらの記事は2024年9月にアップした記事を都度、編集・追記しています。今回のツアーはファイナルを除き、撮影OKでしたので、個人で撮影した写真を掲載しております。

こんにちは!アラフォーランナー葱坊主です!

7月に速報レポをアップしていましたが、ようやくツアーも終わり、個人的な感想とセットリストを含めた完全版となります!

先日9月1日(日)にKアリーナ横浜でのツアーファイナルを終え、初の台北、香港も含めた計9か所、全18公演、国内外ツアー動員数25万8千人を動員した過去最大級の約6年ぶりのツアー【HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024】が無事に終了。

こちらのレポでは、ツアー序盤に行われた愛知公演初日7月19日(金)の模様をお届けします!

チケット当選に至るまでの経緯やセットリスト無しのレポはこちらからどうぞ!

<ライブバージョンとして蘇る往年の宇多田クラシックの数々!>

今回、愛知開催の場所としてセレクトされたのは、Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)。

展示会なども常時開催されているので、イメージとして近いのは関東ではビッグサイトや幕張メッセ、関西ではインテックス大阪あたりでしょうか。

私はお昼の新幹線で東京から名古屋へ移動。そのまま在来線に乗って最寄りの国際中部空港経由で、海沿いの影響もあるかもしれませんが、もの凄い蒸し暑さの中、会場となるAichi Sky Expoへ到着。

涼しい会場に入ると、すでに舞台セットは客席からも観ることができ、まるで砂漠を彷彿させる異空間と積み木のような不規則な映像ビジョンが設営されています。

いったい、これからどんなライブが始まるのか。。。

オーディエンス全員が固唾を飲みながら、ピーンと張り詰めた緊張感が会場内を包み込むライブ前ならではの緊張感。最近やや不感症気味の自分にとっても久々のゾクゾクする嬉しい感覚です。

時計の針はすでに開演予定時刻の18:30。

客入りの状況などからライブは定刻通りに始まることはなかなかないですが、この日も開演まで数分間、静寂の時間帯が続きます。

そして、待つこと5分あまり。

まるで宇宙船が異次元に飛び立つ轟音、そして立体的に置かれたオブジェからまばゆい青白い閃光がフラッシュし、時空をワープしているかのような演出がスタート!

ベストアルバム『SCIENCE FICTION』のタイトルが示す通り、SFの世界もしくは25年前にタイムワープした演出を宇多田さんは狙っていたのでしょうか。

このあたりは12月11日リリース予定の今回のツアー映像にコンパイルされるツアードキュメンタリーが非常になるところ。

バンドメンバーがひとりずつステージに登壇する中、ここでパタッと演出音が止まり、再度静寂が会場を包み込み、一曲目に繋がるピアノのリフがひと音、ふた音が静かに鳴り響きます。

そして、スポットライトが点火され、そのライトの先についに真っ白な衣装をまとった今宵の主役が登場!

・本物だ!

・この世に実在したんだ!

・生の宇多田ヒカルだ。。。

驚きにも似た感嘆と湧き上がる大歓声の中、本人によるハミング、そしてバックライトがフラッシュした瞬間、ついにライブがスタート!

オープニングを飾るのはデビュー曲の『time will tell』

~時が経てば、真実はいずれ明らかになる~

大人になってようやく気付く、この不変の真理を歌詞に落とし込んだ当時15歳の宇多田さん。デビュー曲を25年後の節目のライブの一発目に持ってきたことに、このツアーへの熱い想いというか覚悟のような気合を感じたのは私だけでしょうか。

空前の大ヒットを記録した『Automatic』がデビュー曲と思っている方も多いかもしれませんが、実はこの『time will tell』『Automatic』との両A面シングルなんです!

曲の合間に、「みんな、こんばんわ~!」という歌声以外の生声にファンも大歓声と拍手でライブの幕開けを歓迎!

続く曲も宇多田クラシックの一つ『Letters』

つい最近までプレイリストの2軍だったのですが、このライブで聴いてからめちゃくちゃ好きになりました!ラテン調の軽快なリズムで進み、終盤に畳みかける息継ぎが難しいサビの応酬で一気に場内もヒートアップ!

『Letters』は宇多田さん自身も思い入れの強い好きな曲のひとつと過去の記事でも触れていましたが、ファンの中でもベストとして選出される人気曲に大きな歓声が!

さらに続くのは、もの悲しいメロディからスタートする『Wait&See ~リスク~』

PVでは近未来を彷彿させる乗り物に乗って渋谷を駆け抜け、足元はナイキのズームヘイブンを履きこなし、当時絶頂期だった宇多田さん。約25年の歳月を経て、現代風にライブアレンジされたこの曲も改めて聴くと、当時は気付かなった歌詞の意味に気付かされます。

特に私が好きなのは、2番のサビ前の、

(中略)
変えられないものを受け入れる力
そして受け入れられないものを
変える力をちょうだいよ

サビに向かう疾走感とグルーヴィーなベース音がランニング時にちょうど流れてくると一気にスピードアップしまいますね!

この歌詞も印象的です。天才ゆえの孤独の苦悩を吐露したのでしょうか。。。

(中略)
どこか遠くへ逃げたら楽になるのかな
そんなわけないよねどこにいたって私は
私なんだから

「暑い中来てくれてありがとう!今日はゆっくりしていってね!」とファンを労いつつ、この一声は次の曲に掛けた一声だったのでしょうか。

オープニングから一気にヒートアップした場内を少しクールダウンさせる『In My Room』

今回のベスト版『SCIENCE FICTION』には収録されておらず、他にもやってほしい名曲はわんさかあるのですが、1stアルバムに収録された隠れ名曲の呼び声高い玄人好みの選曲をさらっとセットリストに組み込んでくるあたりのセンスに脱帽しちゃいます。

前回2016年の【Laughter in the Dark Tour 2018】でも『俺の彼女』とかありましたからね!

ここで1回目のMC。

会場となった常滑市のことに触れたり、「暑い中、参戦してくれてありがとう!『Letters』で冒頭の歌詞ミスっちゃったけど、頑張るよ!暑いから水分補給しっかりとね!撮影はOKだけど、スタンドも無くフラットな会場なので、あまり撮影に集中しすぎないよう周りのお客さんにも配慮して撮ってね!じゃ、次の曲に!」
といった感じでした。

お茶目なMCから一転!続く曲は『光』

数々のバージョンやゲーム『KINGDOM HEARTS』の主題歌になったり、最近ではシカゴで活躍中のテクノDJ HIROKO YAMAMURAさんが今年7月のフジロックでも流していたのが印象的なクラシック。

『SCIENCE FICTION』にも収録されたRe-Recordingバージョンを再現するかのような重厚感たっぷりのリズムに乗った高音ボイスが場内に響き渡ります。

会場サイドの壁面に宇多田さんが歌うシルエットが投影されカッコ良かったですね!

陰になっても絵になる宇多田さんのシルエット。

そのままブレイクを挟まずに、2000年6月リリースの『For you』

こちらもこのライブ以降、すごく印象が残って改めて聴き直している曲の一つです!

他の名曲に比べると若干地味でありながらも、歌詞の世界観(“孤独”にフォーカス)やR&Bテイストのサウンドに初期の隠れ名曲と挙げるファンは多く、今回はメドレーバージョンのショートカットで欲を言えばフルで聴きたかった!

そして間髪入れずにメドレータイムは続き、今回のツアーセトリのサプライズの一つでもあった『Distance』(m-flo remix)

初期の名曲ですが、ここ数年のライブでは演奏されることなかったクラシックかつオリジナルではなく、m-flo remixだったことに会場のボルテージも急上昇!

ビジョンにも様々な映像が映し出されています!

『Distance』はバラードバージョンともいえる『Final Distance』としてもリリースもしていますが、このm-flo remixも改めて今聴くと色褪せるどころか、むしろ新鮮でめちゃくちゃカッコよかったですね!

さぁ、続いてお待ちかねのm-flow繋がりでみんな大好き『traveling』

『SCIENCE FICTION』では、m-floの☆Taku Takahashi氏によるミックスでRe-Recordingされ、綾鷹のCMでも使用されたお馴染みのクラシック!

オリジナルはイケイケのアッパーチューンでしたが、再集録されたこのバージョンも大人の雰囲気を醸し出しつつも、「自分のリズムでいこう」というテーマが示す通り、現代風に生まれ変わっていますよね!

前半のハイライトも言えるライブには欠かせないダンスチューンに宇多田さんとオーディエンスのテンションも最高潮に!

もちろんノリノリな曲調なんですが、もう一つの楽しみがアドリブで歌詞を変えてくれるところ!

とその前に、Re-Recordingバージョンでは冒頭に語りかける「今、何している?」を名古屋弁「今、何しとる?」のアドリブで地元・愛知ファンも大喜び!

ちなみにこの日は金曜日ということで冒頭のオリジナル歌詞を忠実に歌っていましたが、他会場ではその曜日で合わせて、

仕事にも精が出る ●曜日の午後~とアレンジして歌っていた模様。

さぁさぁ、このツアーでは終盤にどんなアドリブがされるのか!

前々回2010年のツアー【WILD LIFE】、前回2018年の【Laughter in the Dark Tour 2018】では会場名をアドリブで歌ってましたが、今回も会場名となるAichi Sky Expoをラストの

(中略)
みんな躍り出す時間だ
待ちきれず今夜
隠れてた願いがうずきます

“Aichi Sky Expoのみんな、盛り上がっているかー!もっともっと声を聴かせて!!”

とアドリブで呼びかけたもんで再度会場のボルテージがヒートアップ!

ライブならでのコール&レスポンスで熱い熱い一体感が生まれたところで豪華メドレータイム終了。

Bステージ(オーディエンスに最も近い)に移動しMCタイムへ。

この日の名古屋は猛烈な蒸し暑さで空調もガンガン効いているものの、歌って踊って、ステージ左右に動いたりとアップリフティングな曲が序盤から続いた宇多田さんにとっては相当体力を消耗する時間帯だったはず。

水分補給しつつ、ノベルティグッズのタンブラーに自分の名前を特別に入れてもらった話をしたりして、いったんクールダウンタイムに突入。

ちなみに水分は昔から水が定番で、喉にも優しい常温を飲んでいるんだとか。

“熱い曲が続いたので、少しクールダウンした曲をどうぞ”と次の曲へ。

えっ!ちょっと早過ぎない!?と思った25年間の中で世間的にも最高傑作のバラードクラシック『First Love』が投下!

シンプルな楽曲ゆえに誤魔化しのきかないボーカル重視の曲だからこそ、宇多田さんの真骨頂である美声を堪能。CDと変わらない、いやライブの方がむしろ凄いじゃないか!と美声を呆然と聴き込んでしまうほど。隣の女性ファンも号泣してました。

そして、エヴァファンの心を鷲掴みにし、【喪失・繰り返し】というエヴァの世界観を歌詞に反映した『Beautiful World』

今回のライブで聴きたかった曲のひとつがようやく流れ、私のテンションもここで一気に上昇!

エヴァのテーマというか碇ゲンドウの想いや願いが歌詞に凝縮され、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を見終わった後に改めて歌詞を見ながら聴くと、ハッとしたのを覚えています。

この庵野監督との神対談でもそのことに触れていますね。

海をイメージさせる映像とライティング、歌詞の世界観が説妙にマッチした演出に没頭。

個人的には終盤のピアノのメロディがもうめちゃくちゃたまらないのですが、今回『SCIENCE FICTION』に収録された2024 Mixを再現したライブバージョンのピアノメロディも素晴らしかったですね!

真っ白なジャケットを脱ぎ、MCを挟んだ後は『COLORS』

マイクを持つと別人に変わるこのギャップも人気の秘訣かもしれません!

『COLORS』も今回のライブで最も聴きたかった曲のひとつ。

疾走感のある2024 Mixバージョンのリミックスも秀逸で、リリース当初からこの曲にも何度も救われましたね!色と人生観を重ねているこの曲は、色々な解釈があるかもしれませんが、個人的には「真っ白なキャンパスに自分の自由な人生を思いっきり描いていいんだよ!」と解釈しています。

雰囲気を一転させる『ぼくはくま』

なんだか一番リラックスして、楽しんでいる宇多田さん。ママや子供にも愛されるポップ童謡を作れるのも流石ですね!

ほっこりタイムから一転。

ここから『Keep Tryin’』~『Kiss&Cry』で再び盛り上がりのピークがやってきます!

ライブで凄さを気付かされたこの2曲!まるでこの2曲があたかも1曲かのようなセットリストにも脱帽です。違和感なくスムーズに聞こえるんですよね。

『Keep Tryin’』ラストでは、オーディエンスを煽るアクションに再び会場内のボルテージが上昇!

『Kiss&Cry』では嬉しいことに発売当初に変更を余儀なくされたオリジナル歌詞を披露してくれました!

そしてライブ開始からおよそ1時間15分経過。

前半を締めくくるのは、『誰かの願いが叶うころ』

この歌詞の世界観も深いですね。

誰かの願いがかなっている時、一方で泣いている時もいる
と喜びと悲しさは表裏一体ということを歌ったのでしょうか。

歌詞の世界観と魅了する美声に誰もが聞き込んで佇んでいます。

終盤、ギターとキーボードからのシンプルな演奏にドラムが混ざる瞬間がめちゃくちゃカッコ良かった!映像もPV同様、モノクロの世界観で統一。細部にもこだわりを見せる演出のセンスも素晴らしかったです。

<衣装替えでギア加速。オーディエンスを魅了する美声と名曲の数々>

ショートムービー後、軽快なピアノリズムに乗ってカラフルな衣装を纏った宇多田さんが移動式のお立ち台に乗って『BADモード』を披露。

確か過去の何かのインタビューに、もし歌手をやってなかったらビルの清掃員をやりたかった!という記事を読んだことがあるのですが、高い所が大好きなんでしょうか。

過去のライブ【WILD LIFE】【Laughter in the Dark Tour 2018】でも移動式ステージに乗ってましたもんね!

一方、カラフルなレインボーカラーの衣装は、山形県鶴岡市のユニコーン企業Spiber社×A-POC ABLE ISSEY MIYAKEによるサステナブル素材であるプロテイン繊維「Brewed Protein™(ブリュード・プロテイン™)ファイバー」を使用したコラボ企画。

HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024 x Spiber
デビュー25周年を迎えたシンガー・ソング・ライターの宇多田ヒカルさんの全国ツアー「HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024」において、素材開発チームとしては初となる衣装協力として参画しました。

ちなみにこのSpiber社の近くには東北の名サウナの一つ、【SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSEがあります!サウナはもちろん外気浴、地元の食材をふんだんに使った食事が美味しいですよ!

ちょっと脱線していまいましたが、この『BADモード』は曲調が面白いですよね!最初のサビの後は一気に転調するので、初めて聴いたときは不思議な感じを受けたのを今でも覚えています。

『BADモード』はちょうどコロナ禍から落ち着きを取り戻しつつある2022年に発売された8thアルバムタイトル名。過去に配信ライブで披露されたことがありましたが、今回のツアーで聴きたかった曲の一つが聴くことができて大満足!

続いて、息子さんへの愛情がとことん詰まった名バラード『あなた』

色々な音楽番組でも話題になった歌詞の韻(aiと愛を掛けた)が秀逸ですが、このあたりの歌詞は特に胸に沁みますね。

(中略)
あなた以外なんにもいらない
大概の問題は取るに足らない
多くは望まない 神様お願い
代り映えしない明日をください
(中略)
Oh ただの数字が特別になるよ
(中略)
終わりのない苦しみを甘受し
Darling 旅を続けよう
あなた以外帰る場所は
天上天下 どこにもない

母親からこんな愛情たっぷり込められた曲をプレゼントされた息子さんは本当に幸せですよね~

ここで3度目のMC。

この【SCIENCE FICTION TOUR】は、宇多田さん自らがやりたいと手を挙げ、ステージ構成、演出などすべて監修したツアーとのことで、このツアーを通してようやくアルバム『SCIENCE FICTION』も完成したという旨と感謝のMCでした!

そして、過去をひとつでも否定しまうと今の自分までも否定しまうことになる。いいこと悪いこと、つらいこと、すべての出来事があったからこそ、今こうしてこのライブのステージに立っているんだ。みんな、ありがとう!”という感謝のメッセージにオーディエンスも割れんばかりの拍手で宇多田さんと会場に集まったみんなそれぞれの25年間を祝福!

この深いメッセージを宇多田さん本人の声、生で聴けただけでもこのライブに行った価値はありました!

そして、バラードタイムは続きます。

たくさんの感謝の気持ちを込めた『花束を君に』

亡き母親に捧げた曲として、突然失った喪失感とありったけの愛が込められた涙なしでは聞くことができない一曲。

冒頭の「普段からメイクしない君が 薄化粧した朝」、「涙色の花束」、そしてこのサビの歌詞が一番心を揺さぶりますね。

(中略)
世界中が雨の日も
君の笑顔が僕の太陽だったよ
今は伝わらなくても
真実には変わりないさ
抱きしめてよ、たった一度 さよならの前に

そして今年リリースされた『何色でもない花』

真冬の極寒の北海道で撮影されたMVも話題になりましたね。

デジタル音源ではなかなか気付きにくかったのですが、改めてライブで聴くと様々な音が散りばめられたリズム隊の音楽が立体的にビンビンと伝わってきたのが新しい発見でした。

もちろん歌詞も素晴らしいです!

(中略)
自分を信じられなきゃ
何も信じらんない
存在しないに同義
確かめようのない事実しか
真実とは呼ばない
(中略)
私たちの心の中身は誰にも奪えない
そんなに守らないでも平気

続いて、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』のエンディングソングにもなった『One Last Kiss』

パンデミック中に作られたMVは、イギリス郊外でスマホ撮影や息子さんによる撮影協力などを駆使し、庵野監督が総監督をつとめ、アングル重視で編集されたものとして話題になりましたね。

「止められない喪失の予感」って実は碇ゲンドウの心情を投影しているのかなと個人的に解釈しています。

シン・エヴァ公開時の劇場などで聴いてきましたが、ライブで聴く『One Last Kiss』はバンドの音がより際立ち、圧倒されましたね!

開演からあっという間に2時間近くが経過。

“次がラストナンバーだから、ありったけのパワーを込めて歌うぜ!”って感じのMCを挟み、ピアノのイントロが始まり『君に夢中』がスタート。

ちょっと意外な選曲でしたが、セトリを振り返るとこの曲以外の候補も見当たらないなと改めて考えつくされたセトリだったと実感。

『君に夢中』は上記イベント時にライブ公開されたデモバージョン『Rule (Kimini Muchuu)』(1:07:30~)を含めて何度も何度も聴いてきましたが、重厚感ある演奏と宇多田さんの生声によるライブバージョンになると更に磨きがかかって、クライマックスに相応しい展開に!

特に終盤のサビに向けて、気持ちが入る宇多田さんの美声に便乗するようなリズム隊の畳みかける楽器の数々で、『One Last Kiss』に続いてノックダウンされました。

この歌詞が宇多田さんらしさを特に際立たせて好きですね~

(中略)
君に夢中
Oh 人生狂わすタイプ
Ah 来世でもきっと出会う
科学的にいつか証明される
(中略)
人生狂わすタイプ
ここが地獄でも天国
バカになるほど 君に夢中

「ありがとう!」と言って、宇多田さんはじめバックバンドのメンバーも割れんばかりの拍手を浴びながら退出。

すぐに起こるアンコールの手拍子。

まだ披露していない曲もあるので、これで終わるわけがないよなと誰もが思っていますが、暫く続く手拍子。

<アンコールで披露された今と過去の2大名曲でSFツアーは終着点へ>

待つこと5分あまり。

バンドメンバーが戻って、「呼んでくれてありがとう!」と言いながらグレーのタンクトップに着替て、ラフな衣装になって戻ってきた宇多田さんが登場!

そして、すぐにシンプルなベース音の出だしからスタートする新曲『Electricity』からアンコール開始!

伊藤忠商事のCMソングとしても使われていますが、軽快なリズムとモチベが上がるリズムで、一日のスタートに最高の曲なんですよね!今年最も聴いた曲の一つで、今年のマイフェイバリットソングとして上位ランクインは間違いないです!!

ちなみにこの最新バージョンのCMの冒頭では、さいたまスーパーアリーナで撮影されたカットが使用されていますね!

楽曲の生まれた背景は以下とのことで、映画にもなり得そうな想像力&ストーリーですよね。

(中略)地球に移住してきたり観光に訪れた宇宙人二人が地球で出会うというSF物語のような設定の歌詞世界です。宇宙人の話を描いていたのに最終的に人類への気持ちとか、この世で人間として生きることの意味に辿りついて自分でもびっくりしたところで、完成しました。
Spincoasterから引用しました

宇多田さんもノリノリで楽しそうに歌って、バンドメンバー全員も笑顔で演奏し、演出もアルバムのビジュアルカラーに統一されたこの一体感が【SCIENCE FICTION TOUR】の一番のハイライト!

歌詞の世界観も深く突き刺さります。
特に終盤に向けたここのフレーズが個人的に一番大好きな箇所です!

(中略)
解明できないものを恐れたり
ハマる、陰謀論に
そんな人類みんなに
アインシュタインが娘に宛てた手紙
読んでほしい
愛は光 愛は僕らの真髄

私たちの細部に刻まれた物語
この星から文字が消えても終わんない

ツアーのテーマ曲ともいえる『Electricity』を経て、宇多田さんによるバンドメンバー紹介へ。

ステージ右から左の順に、
・ギター:Ben Parker
・キーボード:Hinako Omori
・ベース:Saye Adelekan
・ドラム:Issac Kizito
・バンドマスター(パーカッション、ギター、キーボード):Henry Bowers-Broadbent
・お歌:Hikaru Utada

その中でキーボードの大森日向子さんは神奈川県生まれのイギリス在住の日本人で、今回のツアーが日本初イベントとのこと!

DJやピアノ楽曲もあったり、個人的に凄く気になったアーティストの一人です。

ワールドレベルのゲストバンドが奏でるサウンドを聴けることも今回のツアーの楽しみのひとつ。各メンバーの楽曲もチェックしていますが、これが本当に楽しい瞬間なんです♪

今回のツアーに携わったメンバーや関係者全員に労いの拍手と感謝の気持ちを伝え、いよいよラストナンバーへ。

照明が暗転し、あの誰もが一度は聴き馴染みのあるスクラッチ音が鳴り響き、湧き上がる大歓声!

ステージにはあのPVを彷彿させる椅子がセッティングされていたのでした。

ラストナンバーは、今から25年前の1999年、彗星のごとく日本のポップミュージックシーンに登場・一世風靡し、今も色褪せない日本の音楽史に残る永久不滅のナンバー『Automatic』

私のようなデビュー当時の往年のファンから、最近の曲から聴き始めた若いファン、エヴァや『KINGDOM HEARTS』、ドラマからファンになった世代、二世代で聴いているという親子まで老若男女に愛されているR&Bクラシックに会場の熱気も最高潮に!

デビュー曲『time will tell』でスタートし、デビュー曲『Automatic』で締める。

なんて粋な計らいのセットリストなんでしょうか。

今回のツアーのセトリが、SNS界隈では神セトリと称されていましたが、私も強くそう思います!

その理由の一つに、リミックスを施された往年の曲と近年の曲が絶妙にブレンドされ、ベストセットリストとしてファン歴関係なく魅了してしまう点でしょうか。

ラストに「It’s automatic!」とシャウトされ、同時に演奏も音切り。

約2時間30分、全23曲25年間を総括するベストセットリストがこれにて終了。

鳴り止まない拍手が場内に響く中、ステージ左右角にも移動し、丁寧に深々とお辞儀して感謝を伝える姿がとても印象的でした。

「ありがとう!またね!」と最後のメッセージを残し、主役はステージ袖にすーっと消えていきました。

20:53終了。

<念願の初ライブの余韻に浸れる幸せ>

終わってしまった名残惜しさと余韻が残る何とも言えない感情。

暫く椅子に座って、燃え尽き症候群のように呆然としてしまうぐらい素晴らしすぎた初の宇多田さんのライブ。すべての楽曲と生の美声に終始圧倒され、感動し、何にも代えがたいパワーを貰った夢のような贅沢過ぎる時間でした。

一生に一度観れるかわからないライブを観れて、忘れられない貴重な時間を与えてくれた宇多田さんはじめ、バンドメンバーの皆さん、ステージ演出、テック関係など【HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024】に携わったすべての関係者の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです!

こちらこそ一生の記憶に残るライブ、ありがとうございました!

9月1日(日)、ファイナル翌日の日経新聞に伊藤忠商事とのタイアップ全面広告が載ってましたね!

▼20240719 HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024@Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)ホールA セットリスト

1 :time will tell(1998)
2 :Letters(2002)
3 :Wait & See ~リスク~(2000)
4 :In My Room(1999)
~MC
5 :光(2002)
6 :For You(2000)
7 :Distance(m-flo remix)(2001)
8 :traveling(2001)
~MC
9 :First Love(1999)
10:Beautiful World(2007)
~MC
11:COLORS(2003)
12:ぼくはくま(2006)
13:Keep Tryin’(2006)
14:Kiss & Cry(2007)
15:誰かの願いが叶うころ(2004)
~ムービー上映&衣装チェンジ
16:BADモード
17:あなた(2018)
18:花束を君に(2016)
19:何色でもない花(2024)
20:One Last Kiss(2021)
21:君に夢中(2022)
アンコール
22:Electricity(2024)
23:Automatic(1998)
※()内はオリジナルリリース時

こうしてみると実に巧妙に計算されたセットリストですよね。

この神セトリがどのように構築されたのか、このあとBD化されるドキュメンタリーで垣間見れるのか楽しみです!

▼after movie集

① in Taipei

② in Hong Kong

③ in Japan

▼最新リリース情報

早速、今回のツアーを映像化したブルーレイが12月11日(水)リリース決定!

①ファイナル公演のKアリーナ横浜公演を完全収録!

②ドキュメンタリー映像も収録!

③完全限定生産盤には「Automatic」から「何色でもない花」までのすべてのMV40曲を収録したBD、さらにベストアルバム完全生産限定盤と姉妹となるようなスペシャルパッケージにスペシャルブックレットと全公演地のメモリアルチケットも封入予定!

④ライブ音源がCD2枚組に完全収録!

というファンにはたまらない内容に!

Amazon楽天でそれぞれオリジナルクリアファイルのデザインも異なる予定!

▼最新リリース情報

さらに、25周年を記念して過去ライブ映像を収録した「HIKARU UTADA LIVE CHRONICLES」の全8タイトルの同日発売が決定!

中でも「Luv Live」、「BOHEMIAN SUMMER 2000」、「UNPLUGGED」の3タイトルは、フルHDへアップコンバートされての収録とのことで、往年のファンから最近聴き始めたファンまで嬉しい企画となっています!

数あるレポからこちらの長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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